個人情報を売買する名簿業者の問題について

ベネッセコーポレーションから最大4000万件を超えるとも言われる大量の個人情報が名簿業者に流れ、その一部をジャストシステムが買い取り使用していたとの報道があった。たまたまかもしれないが、自分の接した報道ではベネッセとジャストシステムばかりが取り上げられていたように感じた。数ヶ月前に名簿業者について調べたことがあり、その仕組みに疑問を感じていたので改めて名簿業者の問題について考えてみたい。

名簿業者が個人情報を売買することは、一見個人情報保護法に違反しているようにも思えるが、ある条件を満たしていれば合法である。その条件とは本人からの要求があった場合に第三者提供を停止する、オプトアウトの運用を行なうことだ。

ただし、オプトアウトには以下のような問題があると思っている。

個人情報保有業者の特定

どこにどのような名簿業者が存在し、自分のどのような個人情報を保有しているのか、を知る方法が現時点で殆どないように思われる。これではオプトアウトを行なうことができない、というよりも行ないたいと考え始めるためのキッカケがない状態である。

オプトアウト手続きのコスト

以前に調査をした全ての名簿業者で、インターネット上の手続きではオプトアウトが完結せず、書類を郵送せよとのことであった。用紙の印刷代、切手代などの金銭面はもちろん、手間もかかるし、本人確認書類と称して運転免許証のコピーなども求められるケースが多い。この時は会社の名刺から流出したと思われるデータの利用を停止させたかったのだが、名刺データと引き換えに免許証という更に個人的な情報を開示する気にはならず、オプトアウトを諦めることになった。

オプトアウト自体のリスク

仮にオプトアウトが目的であったとしても、名簿業者と接触すること自体がこちらの個人情報を相手に与えることになりかねない。業者に悪意が無かったとしても、多くの場所に情報が存在していればそれだけ情報漏えいのリスクは高まる。

今後どうしたらよいか

オプトアウトでは解決できない問題がある以上は原則個人情報の売買・提供を禁止して、本人が承諾した場合のみ個人情報を扱える、オプトインの方法に切り替えてもらいたいと思っている。売買の利益を折半にでもすれば、承諾する人もそれなりにいるかもしれない。